生成AIの進化とともに、「対話データ」を武器に経営変革を進めるブリングアウト。その“現場のリアル”を伝えるべく、事業拡大を担う3名ーーCOOの林、BizDev責任者の中村、営業戦略統括の平山に、対談形式で話を聞きました。難易度の高いビジネスを楽しみ、ユーモアも忘れないチームの素顔をお届けします。
「対話をデータ化して経営を変革する」
杉(HRマネージャー):ブリングアウトは何をしている会社でしょうか?まずはイメージを掴むために導入事例から教えてください。
中村(BizDev責任者): 競合の台頭に対し、経営企画と組み事業戦略の変革をサポートした事例をお話しします。人材サービス大手のクライアントから「競合が急伸し、既存領域が圧迫されている」と相談を受け、私たちは経営企画のカウンターに入りました。
SaaSに蓄積された過去〜直近の商談データを起点にポジショニング(強み/弱み)を解析したところ、競合は「掲載からマッチングまでが速い」「運用システムが軽い」点で評価され、一方クライアントは「マッチング精度」「定着率(出勤率)の質」が高評価と判明。 同時に管理・審査フローの重さがボトルネックで、質では勝つが“速さの体感”で競合が評価されている構図が浮き彫りになりました。ここを埋めることが勝ち筋だと整理し、変革提案を進めました。
杉: 「対話をデータ化して経営を変革する」——まさにブリングアウトの価値を体現した事例ですね。
中村: そうですね。商談には自社への不満や競合評価の生の声が蓄積されています。「あの会社のこの部分は良い」「でもここは弱い」みたいな声ですね。従来は消費者サーベイ等で拾うしかなく、設問設計やバイアスの制御が難しかった。一方、商談データなら何度でも色々な角度から分析でき、示唆を更新し続けられる。ここが非常に強力だと感じています。
“現場の変革”こそが経営の変革に繋がっていく
杉: 現場の変革から経営にインパクトを生み出した事例もお伺いしたいです。 平山(営業戦略統括): 例えば営業組織での活用であれば、私たちは商談内容を解析して評価軸に基づくフィードバックを自動生成したり、個別最適のスクリプトを用意したりと、営業プロセス自体を更新できます。その中でも今回お話しするのは「教育・研修の仕組みまで変えた」事例です。 IT大手クライアントで、「インサイドセールスを“アポどり集団”から、粗利に貢献する組織に変えたい」という要望をいただきました。そこで、インサイドセールスと見込み客の対話を解析し、後工程(フィールドセールス)の受注や粗利に繋がったアポの共通因子を掘り起こしていきました。 それによりインサイドセールスの“勝ち因子”が特定され、受注に繋がる商談ができているかを定量的に評価できる状態を構築しました。 杉:まずは営業における勝ちパターンの型を定義し、その型と比較解析をすることで営業の実態を可視化したということですね。 平山: そうです。さらに研修を“点”ではなく個別最適の運用に直結させました。商談の対話データを個人単位で解析し、業績との関係を紐づけて「この人は質問力の深掘り」「この人はクロージングの論理展開」といった個々人のスキル強化ポイントを抽出。
それぞれの営業に「どの研修コンテンツを、どの順で受けると伸びるか」を自動リコメンドする仕組みを提案しました。例えば「意思決定者の巻き込みが曖昧」タイプには、巻き込みの言い換えテンプレ+ロールプレイ素材をすぐ配信。そのうえで、研修後の商談内容の変化、成長度合いを時間軸で評価できるダッシュボードも構築し提供しました。
結果、アポの“歩留まり”が改善して、パイプラインの粗利額が底上げされました。現場の感覚としても、量を追って消耗する感じが薄れ、“勝てる見込みの濃いアポを積む”という空気に変わった。ISが“案件をつくる部門”から“利益をつくる部門”になる変化が生まれました。
AI SaaS+コンサルで「データ活用のその先」へ
杉:ブリングアウトは単なる録音や要約のSaaS会社ではないのですね? 平山: はい。私たちは「対話データで意思決定を支援する会社」です。商談・会議・1on1など日々の会話に埋もれた“判断材料”を、構造化して解析し、意思決定に接続するのが役割です。
中村:そのために提供するAI SaaS「BringOut」では、対話を録音・蓄積・解析し、現場改善(例:営業のイネーブルメント、解約リスク検知など)を支援しています。SaaSで蓄積した対話データを起点に、コンサルティングで経営変革に伴走します。 杉:商談書き起こしツールが世の中に増える中、そのデータ活用まで踏み込んでいることがブリングアウトの価値になるのですね。 平山: 企業活動の本質は「顧客の課題を解決して価値を受け取る」営みです。顧客の声から何が本当に刺さるのかを読み解き、開発と営業に即時に還流し、経営判断に高解像度で反映していく。この循環を“対話データ”で加速するのが、私たちの価値です。 林(COO): SaaS単体だと、どうしても「備わっている機能」で解決する枠に収まりがちです。一方で、SaaSの真の価値は「蓄積データの活用」にあるとよく言われますが、実際にやり切るのは簡単ではありません。 ブリングアウトは国内でも数少ない、SaaSで蓄積されるデータを経営変革に活用することに挑戦しているスタートアップです。
オーケストラではなく“ジャズ”を大事にするチーム
杉:顧客の要望から新たなソリューションが生まれることも多いですか?
平山:そうですね。SaaSを活用いただいているクライアントから「もしかして、対話データでこんなことできない?」という相談をいただくことが多いです。それを持ち帰って試し、次の提案につなげる。この繰り返しが楽しいんです。
林: 対話データは自由度が高く、議論を通じてポテンシャルが広がります。ある企業では、当初はフィールドセールス向けの導入でしたが、現在はインサイドセールスや他部門にも展開。
他にも「最近セールスの受注率が上がっているが、なぜなのかを知りたい。」という要望を経営企画の方からいただき、現場が蓄積してきた商談データからその秘密を解き明かしていきました。 受注率の向上が再現性のあるものなのか、さらなる改善が可能なのか、現場のリアルな声から科学することで、対話データが経営方針を定めるうえでの重要な資産となった事例です。
このように顧客と議論しながら共創していくプロセスこそ、ブリングアウトらしさです。 杉: ソリューションの自由度が高いからこそ、ブリングアウト内にも柔軟な動きが求められますね。各チームはどのような役割を担い、連携していますか? 中村: BizDevは既存・新規のお客様と解きたい課題を議論し、ソリューションを設計し、デリバリーまで担います。その過程で、対話データの新たな活用事例を生み、パッケージ化しながらプロダクトを進化させます。 平山: セールスは、BizDevが生み出したユースケースを、類似の課題を持つお客様に展開する責任を担います。同時に、最も多く顧客と会話する立場として「こんなことできない?」という要望を受け取る起点にもなります。そこでBizDevと連携し、「顧客のこの課題に対し、こういうソリューションはどうか」といった新規ビジネスの芽を育てます。 林: CSはオンボーディングやプロンプトエンジニアリングで導入目的の実現に並走。現場ユーザー(営業、マネージャー、CS、開発など)の課題を捉え、BringOutがPDCAのインフラであり続けるための運用を磨きます。 平山: 役割分担はありますが、ワンチームでクライアントに向き合う連携が大切です。 林: ブリングアウトの連携スタイルはオーケストラではなく“ジャズ”。決まった譜面ではなく、即興の掛け合いで新しい価値を作るイメージです。例えば中村の分析から良い示唆が出たら、私が別プロジェクトで試し再現性を確認。即座にセールスが、同じような課題を抱えるクライアントに提案しにいく。互いの動きを見ながら、阿吽の呼吸で連動していきます。 平山:たしかにジャズみたいですね。それに社内だけでなく、お客様も“ジャズ感”で入ってきてくれます。最も優秀なサービス起案者はお客様——会話しながら一緒に事例を増やしていくんです。
誠実さとユーモアが同居するカルチャー
杉: 難易度の高いビジネスに取り組むブリングアウトですが、どのようなカルチャーが特徴的ですか? 平山:難しいですね(笑)。逆に杉さんの目からは?
杉:私がブリングアウト経営陣と初めてお会いしたのは入社する3年ほど前になりますが、たびたび会話する機会を通じて「誠実な人が多いチーム」と感じていました。入社してからは、経営陣だけでなく現場のメンバーも同様に「誠実な人ばかり」だと驚きました。自分の仕事をやり切る前提で周囲のためにも動ける人が多いですよね。 林:責任感が強く、泥臭いこともやり切る人が多いですね。 中村:他には「困難を楽しめる」メンバーが多いのも特徴だと思います。スタートアップらしく環境は高速でアップデートされますが、「大変だけど楽しい」という前向きな声が多いんです。 平山:あと、人間関係のストレスがないんですよね。オープンマインドで誠実、裏表のないコミュニケーションを取る人ばかりなので、仕事に集中できます。 杉:そうですね。採用でも人柄は最重視しています。仕事に対してプロフェッショナルで、人に対して誠実さと素直さがあるか。スキルが高くても見送ることはあります。あと、ユーモアがあって面白い人が多いですよね。 林:ユーモアは大事にしていますね。フルリモートだからこそ、Slackやオンライン、オフラインの懇親会でも雑談を大切にし、仕事だけの関係にしないようにしています。
杉:真面目な方が多い印象だったので、初めて懇親会に参加したとき、和気あいあいとしていて良い意味で驚きました。慧さん(CEO)がAIで社歌を作っていたのも面白かったです。笑
生成AI時代に“新しい勝ち筋”をつくる
杉: 最後に、今後の挑戦を教えてください。 平山: 新しいビジネスモデルをつくりたい。特定の型にハマることも必要ですが、最終的には“新しい業態”と呼ばれるくらいの存在になれたら面白いですよね。 中村: 多くのAIスタートアップがAIエージェント開発に舵を切る中で、私たちはあえて「対話データ」というコンテクストの蓄積と活用に注力しています。蓄積があるからこそ、エージェント全盛の時代に独自の戦い方ができる。そんなビジネスを作りたいですね。 林: 私も近いです。「生成AIネイティブ時代の成功パターン」を作りたい。生成AIは賢いけれど、結局は過去の集合値。まだ答えのない領域に踏み込み、答えを作る側でいたい。この分野のロールモデルになる企業を目指します。
杉: 目指す方向は同じですね。ブリングアウトが生成AI時代を代表する企業になる。簡単な挑戦ではありませんが、このチームならやれると感じます。インタビューは以上です。ありがとうございました。
(写真左)平山 奈津未/営業戦略統括 大企業向けHRサービス事業にてマネジメント改革プロジェクトを多数経験。同社営業部長に就任し、組織改革を牽引。組織・人材コンサルティングファームのコーン・フェリー・ジャパンで営業組織改革に従事し、ブリングアウトに参画。 (写真中央)林 翔太/COO 日本IBMにてAIを活用した新規事業の企画・開発プロジェクトをマネージャーとしてリード。国内ユニコーンランキング上位のPreferred Networksで営業および事業開発に従事したのち、ブリングアウトに参画。 (写真右)中村 友哉/BizDev責任者 東京大学工学部、同大学院工学系研究科(修士)修了。東京大学総長賞受賞。新卒でMcKinsey & Companyに入社し、アソシエイトパートナーとしてヘルスケア・消費財・小売業界のプロジェクトをリード。2025年、ブリングアウトに参画。 インタビュアー:杉 開/HRマネージャー 人材系ベンチャー企業にて国内最大規模の採用支援プラットフォームの事業開発に従事。その後、フォースタートアップス株式会社にてシニアヒューマンキャピタリストとしてスタートアップの成長支援に従事。2025年、ブリングアウトに参画。
ブリングアウトに興味を持ってくださった方へ
ブリングアウトはビジネス/開発側の採用を積極的に行なっています。 まずはカジュアル面談からぜひお話ししてみませんか?
ブリングアウトはフルリモート・フレックスタイム制度を導入しています。 従業員の約8割が育児しながら業務にも全力で取り組んでおり、仙台や静岡、福岡など日本各地から参画しているメンバーも多数いるチームです。 自由度の高い働き方を必要としながらも、成長企業、生成AIの最前線で挑戦したい方、ぜひエントリーをお待ちしております!
【採用責任者コメント】 この対談を通じて改めて感じるのは、ブリングアウトの強さはプロダクトや技術そのもの以上に、「誰がそれを使い、どこまで本気で顧客の意思決定に向き合っているか」にあるという点です。林の全体設計力、中村の一次情報に食い込む分析と構想力、平山の現場を変えきる実行力。いずれも、単なる役割分担ではなく、経営変革を自分事として背負うプロフェッショナリズムに支えられています。対話データは扱いが難しく、正解も決まっていません。だからこそ、誠実に考え、試し、学び続ける人が必要になる。この記事に登場する3人は、その難しさを楽しみながら前に進める人材であり、彼らの存在そのものがブリングアウトの競争力です。このレベルの思考と覚悟を持つ仲間が集まっていることを、ぜひ感じ取ってもらえたら嬉しいです。






