― 商談の一次情報を組織で共有し、接客品質の底上げを目指す ―
ブリングアウト株式会社(本社:東京都、代表取締役:中野 慧、以下「当社」)は、株式会社SUBARU(以下、SUBARU)が推進する販売・接客改革の一環として、当社が提供する対話データを起点とした経営変革プラットフォーム「ブリングアウト」について、PoC(概念実証)での成果を踏まえ、全国150以上の店舗/1,000名以上の方が参加する大規模なトライアルフェーズへ移行することを決定しましたので、お知らせします。
今回のPoCでは、SUBARUの国内営業本部ビジネスイノベーション部と当社AX(AI Transformation)コンサルタントが協働し、商談の対話データをAIで解析することで、商談現場で活用しやすい形で、商談内容を“見える化”し、次に取るべきアクションや改善ポイントを現場に提示できる運用を検証しました。
その結果、現場・マネジメント双方で、商談の状況や顧客の検討ポイントを共通理解しやすくなり、振り返りの質向上や育成・指導の効率化につながる手応えが確認されています。
また、商談・接客といった対話データを軸に、顧客理解の深化、接客品質の底上げ、そして組織としての継続的な改善につながる可能性が示されました。
PoCに参加した店舗での実証結果をもとに希望者を募ったところ、全国で多くの店舗が参加を表明しました。
PoC実施背景
「商談の一次情報」が、顧客体験とマネジメントの分岐点に 自動車販売の現場では、商談がブラックボックス化しやすく、次のような課題が指摘されてきました。
店長がすべての商談に同席できず、指導が後追いになりがち
セールスの報告だけでは、お客様の“温度感”や迷い、具体的な要望が十分に共有されにくい
良い接客・対話が属人化し、再現・横展開が難しい
こうした状況は、お客様にとっては「伝えたはずの想いや不安が十分に汲み取られない」体験につながりかねない一方で、現場にとっても改善や育成の機会を逃す要因となっていました。 背景にあるのは、商談・接客の一次情報(お客様の言葉や反応、検討状況)が、報告の過程で要約されてニュアンスが抜け落ち、データとして蓄積・共有されにくいという構造です。その結果、店長や本社は「どこで迷っているのか」「何が決め手になり得るのか」を把握しづらい状態が続いていました。
そこで今回のPoCでは、商談の内容をAIで分析し、商談を“見える化”して現場と組織で共有するという解決アプローチの有効性を検証しました。 さらに結果を商談履歴として蓄積し、店舗内および関係者間で共有することで、顧客情報の蓄積・共有と商談フィードバックを回し、商談・接客レベルアップの好循環をつくれるかを確認しました。
PoCの概要
今回のPoCでは、単にツールを試験導入するのではなく、店舗の実態に即したユースケース設計から取り組みを開始しました。
PoCは2025年9月〜10月にかけて首都圏の一部店舗で実施し、当社コンサルタントが実際に店舗へ足を運び、現場の業務フローを確認しながら、課題や要望を丁寧にヒアリングしました。
そのうえで、現場で「本当に活用したい」情報が何かを整理し、商談データをAIで解析して、必要な示唆を提示する運用を検証しました。具体的には、以下の観点で商談を可視化し、日々の改善に活かせる形に落とし込んでいます。
商談の可視化/ネクストアクションのアドバイス:商談内容を整理し、次に取るべき打ち手の検討を支援
商談スキルの可視化/スキルアップのアドバイス:振り返りや指導の観点を明確にし、育成・改善に繋げる
お客様のカーライフに関する要望の可視化・蓄積:属性情報だけでなく、利用シーンやご希望などの具体的な声を整理・蓄積し、提案の質向上に活かす
本PoCを通じて、商談という“対話”の一次情報を、現場の負荷を増やし過ぎずに整理・活用し、店舗の振り返り、指導・育成、提案の磨き込みにつなげるための実運用を検証しました。
PoCの成果
今回のPoCでは、顧客体験・マネジメント・育成・成果の各側面で、以下のような変化が報告されています。
【顧客体験・マネジメント視点】
「顧客の温度感や検討状況が可視化され、お客様一人ひとりに合わせたフォローや提案がしやすくなった。不在時でも、接客の流れや背景が把握できる」(店長)
「アポ取りやローン提案などセールス側の言動だけでなく、お客様がどこで納得し、どこで迷っているのかお客様の温度感が見えるようになった」(本社)
【育成視点】
「何が分からないか分からなかった若手が、自身の課題を理解しながら、お客様との対話を自らのアクションで改善できるようになった」
「ベテランも自分の接客を客観的にデータで振り返り、よりお客様視点に立った説明を意識するようになり更にレベルアップが図れた」
【成果視点】
「商談を自ら振り返り改善するサイクルを継続したことで、1つ1つの商談の品質が着実に向上した。数か月目標未達が続いていたメンバーも、自主的な改善で目標達成をし、大きな自信に繋がった」(店長)
「BRING OUTをもとに質問することで、根拠を持って明確なアドバイスがしやすくなった。効果的なアドバイスによって、スムーズに成約に至ったケースもあった」(店長)
これらの成果は、単なる業務効率化ではなく、お客様理解を深めながら対話の質が高まった結果として現れたものと評価されています。
今後の展開
本取り組みは、自動車販売におけるDXを、単なる業務効率化にとどめず「顧客との向き合い方」そのものをアップデートする試みでもあります。
当社はSUBARUとの取り組みを通じて、商談・接客といった『対話データ』を、現場の改善から販促・教育施策まで一気通貫でつなぎ、経営の意思決定に接続することで、お客様一人ひとりに向き合う接客を組織として持続可能にするモデルの確立を目指します。
26年度
全国の店舗へ展開し、商談データの蓄積と活用を推進。商談の可視化・振り返りを通じて現場の改善を進めるとともに、蓄積データをもとに教育・販促施策を継続的に改善し、商談の質向上につなげる取り組みを進めます。
27年度以降
全特約店での活用を見据え、対話データを軸にした営業PDCAの定着と、顧客・現場・本社を横断して「お客様商談」を共通理解し、アクション検討できる意思決定基盤の高度化を推進します。あわせて、CRM等の既存システムとの連携を視野に、商談で得られる一次情報を含む顧客情報の一元管理に向けた検討を進めます。
【CEO Comment】
今回の取り組みは、「お客様との対話を、どうすればもっと大切に扱えるか」 を起点に、これまで現場に閉じがちだった一次情報を、組織全体で扱える経営資産に変えていくために、AIを活用する挑戦です。
なぜ今これをやるのかというと、AIの価値が「自動化」だけではなく、現場の対話の解像度を上げ、意思決定の質を変える段階に入ってきたからです。
自動車購入の意思決定に至る過程で生まれる迷いや不安、期待といった声が、経営にきちんと届いているかどうかで、顧客体験は大きく変わります。 SUBARU様との今回の取り組みは、商談という“対話”をデータとして活かすことで、お客様一人ひとりに向き合う接客を、属人化させず、組織として実現する挑戦であり、市場全体への大きな意味があります。接客の質、育成、販促、経営判断が分断されずにつながることで、一次情報経営は現実のものになります。
ブリングアウトは、対話データを起点にしたAXとコンテクストエンジニアリングによって、その未来を具体化していきます。
【関連リンク】
株式会社ブリングアウトについて
ブリングアウトは「対話をデータ化して経営を変革する」ことを掲げ、AIを活用した経営変革を行うAXファーム(AX:AI Transformation)です。
経営変革の焦点となる論点を定め(論点設計力)、その論点をAIプロダクトに埋め込み自走化させ(AI実装力)、設計と実装を一体で行うことでスピーディに現場へ展開します(戦略×実装の融合)。
主要な提供サービスは次の3つです。
①経営論点特定結果に基づく、対話設計とコンテクストエンジニアリング
経営・組織・顧客対話の目的に応じて、会話データを構造化し、AIが理解できる文脈設計を行います。
②AIエージェント基盤
自然言語解析・知識抽出・推論を行う独自のAI基盤を開発。AIエージェントが対話や文書を横断的に理解し、意思決定を支援します。
③カスタマイズエージェントが動くソフトウェア
分析結果をもとに、要約・洞察・提言などを自動生成。組織が無理なくエージェントを使い続けることで、「経営変革を常在化」させます。
『東洋経済 すごいベンチャー100』『日経 未来の市場を創る100社』『日経テクノロジー展望 未来をつくる100の技術』などに選出され、国内大手企業を中心に導入が進んでいます。
◾️ホームページ:https://www.bringout.biz/



